流動資産と固定資産の区分

2017年06月06日

運営・経営

 総資産は資産全体のことを意味しますが、総資産は「流動資産」と「固定資産」の2つに大きく分かれます。ざっくり説明すると、流動資産は1年以内にお金に変わる項目であり、固定資産はお金に変わるまでに1年超かかる項目をいいます。なお、この1年という期間は、決算日の翌日から1年以内かどうかで判定します(1年基準)。

 預金を例に考えてみましょう。普通預金と3年満期の定期預金があるとします。この2種の預金の流動・固定分類はどうなるのでしょうか。

 まず、普通預金はいつでも引き出せますから1年以内に現金化が可能であり「流動資産」に該当します。一方、3年満期の定期預金は、基本的に満期が来るまで引き出しができません。現金化に1年超かかるわけですから、「固定資産」となります。

 流動・固定の分類は、負債においても存在します。1年以内に支払のある項目を流動負債といい
、1年を超えて支払期日が到来する項目を固定負債といいます。

 このように、流動と固定に区分することによって、資産側と負債側のバランスを見ることができます。たとえば、1年以内に現金化可能な流動資産と1年以内に支払うべき流動負債を比較するのです。この比率は「流動比率」といい、会社の支払能力を表します。

流動比率=流動資産÷流動負債 (単位:%)

 この比率は、高いほど支払い能力が高いといえ、安全であることがわかります。流動比率の製造業業界平均は120~140%程度です。

参照:「ゼロからわかる!決算書」 著者:石島洋一、石島慎二朗 PHP研究所