ワイヤーハーネスの産業分類

2017年03月31日

特集

 日本においてワイヤーハーネス製造業がどのような産業分類、業種目にあたるのかご紹介します。

・日本標準産業分類
 日本標準産業分類とは日本の公的統計における産業分類を定めた総務省の告示であり、公的統計は社会全体で利用される情報基盤であるため最も重要な分類です。分類は大分類、中分類、小分類とカテゴリー分けされていて、最終的には4桁の番号と分類名が割り当てられています。ワイヤーハーネス製造業は「大分類 E 製造業」に該当します。中分類からは製造しているワイヤーハーネスの用途によって該当する分類が変化します。

 例えばエンジン周りのワイヤーハーネスを主に製造している場合は「中分類29 電気機械器具製造業」に該当し、小分類は「292 産業用電気機械器具製造業」の「2922 内燃機関電装品製造業」となります。

 ワイヤーハーネスの用途はFA機器、医療、航空など非常に広いため、様々な用途に対応したワイヤーハーネスを製造している場合は同様に「中分類29 電気機械器具製造業」に該当し、小分類は「299 その他の電気機械器具製造業」の「2999 その他の電気機械器具製造業」に該当します。

 日本では特定の用途に絞ってワイヤーハーネス製造をおこなっている企業の割合は低いため、多くの企業が「2999 その他の電気機械器具製造業」に該当します。

 なお、ワイヤーハーネスに関連が深い端子・コネクタなどの部品を製作している業種は「中分類29 電気機械器具製造業」、「291 発電用・送電用・配電用電気機械器具製造業」、「2915 配線器具・配線附属品製造業」に該当します。また、電線・ケーブルを製造している業種は「中分類23 非鉄金属製造業」、「234 電線・ケーブル製造業」、「2341 電線・ケーブル製造業(光ファイバケーブルを除く)」に該当します。

・労災保険料率の分類
 労災保険は業務中や通勤中の災害による病気、ケガ、障害、死亡などに対して保障を行う日本の制度で、労災の保険料率は事業内容によって定められています。労災の保険料率は、1つの事業に1つの労災保険料率が適用することが原則としてされていて、事業所が複数の事業を展開していたとしても主たる事業内容に該当する保険料率が適用されることになります。

 ワイヤーハーネス製造の労災保険料率の分類は上記で説明した日本標準産業分類と同様にワイヤーハーネスの用途や主たる事業によって分類が変わりますが、特定の用途に絞ってワイヤーハーネス製造をおこなっている企業の割合は低いため多くの企業が「事業の種類の分類 製造業」、「番号57 電気機械器具製造業」、「5709 その他の電気機械器具製造業」に該当し労災保険率(24年4月1日から)は3/1000と定められています。

・類似業種比準価額計算上の業種目
 取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価は法令で定められています。類似業種比準価額計算上の業種目とは本法令での業種分類です。

 製造しているワイヤーハーネスの用途に依りますが「電子部品・デバイス・電子回路製造業(41)」、「電気機械器具製造業(45)」、「その他の製造業(53)」に該当します。

・適用額明細書の業種目
 平成22年度税制改正において、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定され、租税特別措置の適用の実態を把握するための調査を行うことが規定されました。このため、法人税関係特別措置のうち税額又は所得の金額を減少させる規定等を適用する場合には、その法人が提出する法人税申告書に「適用額明細書」を添付し、税務署に提出する必要があります。

 「適用額明細書」には事業内容に適応した事業種目を選択して記載しなければなりません。製造しているワイヤーハーネスの用途に依りますが「産業用電気機械器具製造業(22)」、「その他の製造業(29)」が該当します。