損益計算書P/L

2017年04月26日

運営・経営

 損益計算書P/Lは儲けを示す財務諸表ですが、儲けはどのように表されるのでしょうか。ワイヤーハーネスを製造販売する場合、ワイヤーハーネスを売れば、お金が入ってきます。これが「売上」となります。この「売上」のように会社にとってプラス要因を「収益」といいます。

 しかし、収益がそのまま会社の儲けになるわけではありません。ワイヤーハーネスを製造販売するためには部品の仕入、作業者への給料の支払などが必要となります。これらの仕入代金や給料のように、収益を得るために費やした金額を「費用」といいます。

 そして、収益から費用を差し引いた金額が、会社の儲けである「利益」です。(収益よりも費用が大きい場合は「損失」)
 
 【損益計算書の基本公式】 収益ー費用=利益(損失)

 収益、費用、利益は損益計算書ではもう少し細かく分かれています。ひと口に収益や費用といっても、いろいろな種類があるのです。例えば収益は、本業でワイヤーハーネスを販売することで発生する他、預金をして利息をもらったときにも発生します。費用も、仕入や給与の支払のように本業に関するものもあれば、借金の利息の支払などもあり、その発生要因はいろいろです。
 このように多様な要因により発生する収益・費用を、発生原因別に5段階に区分して表示します。そして、それぞれの区分で差し引き利益が計算されます。つまり、損益計算書上、発生要因ごとに利益は5種類存在することになります。

 損益計算書の5種類の利益とは、以下となります。損益計算書は5つの段階に分かれますが、本業(ワイヤーハーネスの製造販売)と関連性が強いものを上から順番に記載しています。

・第1段階の利益 売上総利益:ワイヤーハーネスの販売による利益
=売上高ー売上原価

・第2段階の利益 営業利益:本業によって得た利益
=第1段階の利益(売上総利益)ー販売費及び一般管理費

・第3段階の利益 経常利益:本業以外による損益も含んだ利益
=第2段階の利益(営業利益)+営業外収益ー営業外費用

・第4段階の利益 税引前当期純利益:特別な取引も含めた利益
=第3段階の利益(経常利益)+特別利益ー特別損失

・第5段階の利益 当期純利益:すべての要因を加味した最終利益
=第4段階の利益(税引前当期純利益)ー法人税、住民税及び事業税

(各利益は数字がマイナスの場合は「損失」となる。例えば営業利益ではなく営業損失など。)

参照:「ゼロからわかる!決算書」 著者:石島洋一、石島慎二朗 PHP研究所