企業規模に関する各社の違い

2017年07月07日

調達・見積

 ワイヤーハーネスを製造する企業はその企業規模によって大よその特色を判断することができます。企業規模は年商、従業員数、拠点数と拠点の大きさ、内職や外注先の数などが具体的な指標となります。ここでは企業規模と企業の特色について説明します。

 企業規模を表す最も重要な指標は売上高です。年間の売上高を表す年商が最もよく用いられます。年商が大きいとワイヤーハーネスの出荷量が多く、規模が大きい仕事をこなす容量(キャパシティー)が大きいと見なすことができ、生産調整も柔軟で短納期にも対応できる傾向があります。
 
 ワイヤーハーネスを製造する企業は、構成部品である電線・ケーブル、端子、コネクタ、外装品の販売や、その他にも事業をおこなっている場合があります。そういった場合は年商が大きく見えるため、ワイヤーハーネス事業の売上高がどの程度であるか分けて考える必要があります。全体の年商が大きくてもワイヤーハーネスの事業規模が小さいこともあります。

 ワイヤーハーネスを製造する企業は中小企業が多いですが、その中でも規模が小さい企業は年商が1億円以下、中程度の規模であれば数億円から十数億円、大規模であれば数十億円から数百億円と分類することができます。数百億やそれ以上の年商の場合は大手企業やその系列であり、世界的に事業を展開している企業です。大手資本が入っていない独立系の企業では年商数十億円以下がほとんどで、年商百億円以上の企業は僅かとなります。

 ワイヤーハーネスの製造には人手がかかり、部品の在庫スペースや作業スペースも必要となるため年商の大きさに比例して従業員数、拠点数は大きくなる傾向にあります。しかし、自社製造以外に同業者の外注先や内職作業に仕事を多く委託している企業は、年商の割に従業員数、製造拠点数はさほど大きくない場合があります。規模の大きい海外工場へ仕事を委託している企業は、その傾向が顕著です。

 製造拠点は広いほど生産できる容量が大きく、また長くて太いワイヤーハーネスも扱えます。製造拠点の所在地からは最低賃金や周辺環境からは人件費の高さも推測することができます。都市部で製造すると人件費が高くなり、製品コストに影響を与えます。

 なお、規模が大きい企業は設備も多く所有している傾向があり、機械化により製造効率が高く、品質が安定しています。また、機械設備が多ければ加工できる製品の種類が多く、大量生産にも対応しています。