ワイヤーハーネスの導通検査器とは

2018年06月18日

加工・検査・技術

 ワイヤーハーネスの導通検査は検査されるワイヤーハーネスが電気的に正しく繋がっていて、その電気回路が正しいかどうかを確認する検査です。導通検査はブザー、または導通検査器(ハーネスチェッカー)を用いておこなわれます。


導通検査器(ハーネスチェッカー)

導通検査について、詳しくはこちら

 導通検査では対象となるワイヤーハーネスが電気的に正常な回路であり、断線と短絡が起こっていないかをチェックします。ブザーを用いた導通検査では、各端末部にブザーを当てて電気的に繋がっていて導通がある場合に音がなります。音がなるかどうかで全て端末の導通を調べていきます。一方、導通検査器(ハーネスチェッカー)を用いた導通検査は、マスターと呼ばれる正しい回路を持つワイヤーハーネスの回路を導通検査器(ハーネスチェッカー)に記憶させることによって、検査の対象となるワイヤーハーネスの回路がマスターと同じ回路となっているかを自動でチェックしていきます。


ブザー(左上)とワイヤーハーネス

 導通検査器(ハーネスチェッカー)を用いた検査はブザーで行う検査に比較して、ブザーの当て間違いやブザー音の聞き間違えなどといった人為的なミスが少ないこと、検査スピードが非常に早く作業効率が高いことがメリットとして挙げられます。

 導通検査では全ての端末を総当たりでチェックし、断線や短絡が無いかを調べる必要があります。検査の現場では電気的に繋がっているはずの端末のみをブザーでチェックしているケースが良く見られますが、厳密には繋がっていないはずの端末も全て確認する必要があります。もし繋がっていないはずの回路が繋がっていたら短絡となり不良です。
 端末の数をnとすると、総当たりで検査すべき回路数は以下の式で表すことができ、端末数が大きいほど検査すべき総当たりの回路数は増加します。

 端末数が100の場合は4950もの回路を調べなければなりません。ブザーを用いて人の手で検査すると膨大な時間が掛かってしましますが、導通検査器(ハーネスチェッカー)を用いれは数秒程度で検査することができます。端末数が多い、また検査するワイヤーハーネスの数が多い場合は導通検査器(ハーネスチェッカー)を用いた方が圧倒的に検査の効率が良くなります。

 導通検査器(ハーネスチェッカー)を用いた検査の手順を簡単に説明します。まず検査器と検査対象となるワイヤーハーネスを接続する検査治具を作成します。検査治具や自社で作成するか、治具作成を請け負っている企業に作ってもらう事も可能です。検査治具が完成したら検査器と正しい回路のワイヤーハーネスを接続して、正しい回路を検査器にマスターとして記録させます。次に検査したいワイヤーハーネスを検査治具を通して検査器に接続し、検査開始ボタンを押せば検査が開始されます。ボタンを押すと数秒程度で製品の回路が正しいか、間違っているかを判定します。この作業を繰り返して、ワイヤーハーネスを次々に検査していきます。検査データはハードコピーや電子データで保存する事が可能です。

 検査器の検査速度は、検査器の検査ソフトのアルゴリズム(検査手順)や検査器に使用される部品や内部の回路設計によって違いが生じます。