資金調達の方法

2017年12月05日

運営・経営

 運転資金が不足したり、設備投資や事業拡大のための投資資金など、企業活動の中で資金が必要となるケースがあります。特に運転資金の不足は倒産に繋がる可能性があり、その場合は資金調達が必要不可欠となります。ワイヤーハーネスの製造をしている中小企業が資金調達をおこなうには様々な方法があります。ここでは、様々な資金調達の種類をご紹介します。

1、融資を受ける

 金融機関から融資を受けて資金を調達します。金融機関には銀行・信用組合・信用金庫、政府系金融機関、ノンバンクが挙げられます。ノンバンクとは銀行・信用組合・信用金庫、政府系金融機関以外の金融機関のことで、消費者金融やカードローン、ビジネスローンなどが該当します。ノンバンクは融資審査が銀行などに比べて緩いのですが、金利は高く設定されています。ノンバンクは貸金業登録を行っていて法律を守っていますが、闇金は貸金業登録をしておらず法律を守っていません。もし、闇金に手を出してしまったらすぐに弁護士に相談しましょう。

2、仕入先や顧客との支払交渉

 お金を払う、または受け取る条件を変更してもらえないか仕入先や顧客と交渉します。仕入先に支払を遅らせてもらったり、顧客からの入金を早めてもらうように交渉します。信用問題が懸念されますが、意外と柔軟に対応してくれる場合もあります。なお、給与の支払いを遅らせるという選択肢もありますが、従業員に迷惑をかけてしまいますのでなるべく避けましょう。従業員が退職するリスクもあります。

3、売掛金の現金化

 最近は大手企業を中心にファクタリングを利用することも増えてきました。ファクタリングサービスでは支払期日前に手数料を支払って売掛金を現金化することができます。
 手形を受け取っている場合は銀行や割引業者へ手形を持っていき、手形割引で支払期日前に現金を入手することも可能です。この場合も手数料を差し引かれて、また従来の期日にはお金を返却する必要があります。また、手形を担保にしてお金を借りる手形貸付という方法もあります。

4、資産の売却

 有価証券や不動産、車両、機械、設備などの資産を売却すれば資金を調達することができます。ゴルフの会員権も資産です。自社に現金化できる資産は無いか検討します。
 また、不動産や車両、機械、設備を売却してリース契約をするリースバックという方法もあります。この場合は資産を手放しますが、リースによって資産であったものを使用し続けることが出来ます。

5、出資を受ける

 ベンチャーキャピタルや個人投資家から出資を受けて資金を調達します。投資をしてくれる機関や個人を探すのは非常に難しいのですが、出資を受けることは融資に比べて返済義務はなく経営の助言をしてくれるというメリットがあります。出資比率によっては経営権を握られてしまうこともありますので注意が必要です。

6、知人や親族の援助

 知人や親族に頼んでお金を借りる、または出資してもらう方法です。お金を返せなくなるケースも考えられ迷惑をかける可能性もありますので、最終手段と考えましょう。

7、融資のリスケ

 リスケとはリスケジュールのことです。融資を受けている場合は融資の条件を変更(リスケジュール)してもらい返済を先延ばしてもらいます。リスケは資金調達というよりは資金繰りを楽にする方法です。リスケをするには交渉や調整も必要で、新規融資を受けられなくなるというデメリットがあります。

8、クラウドファンディング

 インターネットを経由して不特定多数の人や組織から資金を調達する方法です。クラウドファンディングでは支援者にリターンがない寄付型、支援者にお金以外の物品や権利などをリターンする購入型、支援者にお金をリターンする金融型があります。日本では法律の関係もあり購入型が一般的です。クラウドファンディングは支援者や支援者候補に自社のPRをすることができます。活用を考える場合はクラウドファンディングを運営している企業に相談しましょう。

 以上、資金調達方法の概要を説明してきました。資金調達ではないですが、資金繰りが厳しい場合は無償支給や設備貸与をしてもらうと資金繰りが楽になります。ワイヤーハーネスの製造では、製品を納入する前に電線や部材を仕入れたり、設備投資をしなければなりません。そのような先行投資は部材の無償支給や設備貸与をしてもらえれば不用となります。
 また最近では経営状況が厳しい場合に、M&Aにより会社を売却するという方法を取るケースも増えてきました。後継者不足と不景気の影響があるようです。