インタビュー 株式会社フジデン

2017年08月21日

特集

 今回は電線・ケーブル商社であるフジデンの舟木部長にお話しを伺いました。舟木部長は気さくで頼りがいのある人柄をお持ちです。どのようなお話が聞けるか楽しみです。

――株式会社フジデンについて教えてください。

株式会社フジデン(以下、フジデン)は株式会社フジクラの連結会社で、主に電線・ケーブルや電子部品などを扱う商社です。ビルや工場などの電力用の電線をメーカーから購入し、お客様の要望に応じた数量に切断し、納入するという「電線の問屋」という位置づけの会社です。通信業界や建設業界との取引が主流となります。

――舟木部長の経歴は?

神奈川大学卒業後、1991年4月にフジデンに入社しました。私の入社した、1991年はバブルの余韻が少し残る会社としても景気のよい時代でした。就活も学生有利の年代で、多くの社員が入社した時代です。配属部署は現在部長を務める直需通信営業部の前身となる電子機器電線課でした。その後、2012年10月に中四国支店へ転勤し、2016年4月に直需通信営業部へ転勤(復帰)して2017年の4月より部長を務めています。

――電子機器電線課(現在の直需通信営業部)とはどんな部署ですか?

フジデンの本流は市販営業部という建設業界との取引をメインとした種々の電力用ケーブルの販売です。私が初めに配属された電子機器電線課はその本流の部門では無く、主流以外の顧客を開拓する新規事業として位置づけられた部署でした。最初に担当したのは神奈川県内のワイヤーハーネス店でした。ワイヤーハーネスには電線・ケーブルのほかチューブやコネクタなどの部品を使用します。そういった部品をワイヤーハーネスを製造する企業に販売していました。

 私が当時担当していたワイヤーハーネス店は細物の電子ワイヤーの加工が主で、当時は民生機器(ゲーム機や家電)用のワイヤーハーネスの需要が非常に高く、忙しい時代でした。1990年代の中盤からはワイヤーハーネス店も家電メーカーの海外シフトに準じ中国へ製造をシフトしていきました。この頃の国内需要の落ち込みは激しいものでしたよ。現在は中国から戻ってきているパターンも多いですね。

 ワイヤーハーネスを製造している企業は直需通信営業部にとって電線・ケーブルなどの部材の販売先となりますが、ワイヤーハーネスの加工をお願いすることもあるため売りと買いのどちらの取引もあります。

――直需通信営業部の得意な商品は何ですか?

国際規格であるIEC規格に準じたケーブルは日合通信電線との関係に強みがあり、価格競争力があると考えています。海外に輸出する装置に使用するワイヤーハーネスのケーブルは国際規格に準じている事が求められます。ケーブルの販売はもとより、ケーブルを加工してワイヤーハーネスとして提供することもできます。

 また、ハイスペックなカテゴリー7LANケーブルの長尺品の在庫を持っているのは日本でフジデンだけと存じます。カテゴリー7のLANケーブル国内で製造しておらず米や欧州で生産されています。フジデンはスイスのR&Mというメーカと取引があり、国内で唯一即納体制を取っております。カテゴリー7のLANケーブルに関する対応はお任せください。

――今後の直需通信営業部の方向性は?

フジデン全社としては2020年のオリンピック需要に向け、今年の年末より建設業界向けの動きが良くなる見通しです。我々の部署については、現状の売上構成で通信部門(光ファイバー、LAN製品)が主力になって来ておりますが、今年度より付加価値の無いケーブル単体より、ひと手間加えた加工品などの販売により注力する様に指示してます。加工品にはワイヤーハーネスも含まれます。

 例えば、ビルやマンションでかなりの数量が出るVVFケーブルですが、現状作業員が現場合わせ
で端末加工をしておりますが、それをあらかじめ、加工店で切断、端末の口出しまでを行い、納入する。今後人員不足が叫ばれる建設業界で、その様なニーズが増えてくる。と考えてます。VVFケーブル以外での通信ケーブルでも同じ状況が考えられます。

 ワイヤーハーネスでの見積り/受注はケーブル単体に比べ、非常に手間の掛かる作業ですが、マージン率UPも見込め、営業スキルも上昇するものと考えてます。この様に、加工までのイメージを持てば、今までとは違ったフィールドへの拡販も出来るのでは?と考えております。

 弊社が取引をさせて頂いている加工店は①産業機械系の加工店 ②電子ワイヤーの加工店 ③盤メーカーとに分かれています。特に①、③については弊社の得意とする分野の為、エンドユーザーまで見据えた提案をしていかなければいけないと考えております。

 また、インターネットなどの通信販売を利用したEC事業も重要と考えており、弊社でも数社と取引をしておりますが、今までに無かったコンシューマーへの販売を意識し、魅力的なPR文章や映像の提供、ラインナップの増加などを行っていかなければならず、従来型の「お客様と顔を合わせる営業」とは違うフィールドも同時に探っていくワークを行っていかなければならない。と考えてます。

――ワイヤーハーネスを製造する企業にアドバイスをお願いします。

私がレベルが高いと感じるワイヤーハーネス店は、品質保証や不具合に対応するスキルが高いです。何かあったときに担保をしてもらえると弊社としては心強い。そういったスキルを磨いていけばより受注を伸ばしていけるのではないかと思います。

――営業の担当者にとってアドバイスをお願いします。

景気が良いころは引き合いも多く「納期と価格の調整能力」とお客さんとの優良な関係を築ける「コミュニケーション能力」が重要でした。お客さんと仲良くなることは本当に大切です。今は人口が減少して国内需要が減っている時代です。従来大切であった能力に加え、お客のお客であるエンドユーザーまで遡ってニーズを理解し、そこからアピールをしていくことが大切だと考えています。お客目線の営業を心掛けています。

――上司として心掛けていることを教えてください。

相談されたときに直ぐに結論を出すようにしています。判断に迷い責任の所在を気にする部下もいますので、ケツをもってあげるように結論をしっかり出します。
 また注意すべき点は率直に伝えるようにしています。最近はパワハラによるうつ病や退職といった問題もよく耳にするようになり怒れないような環境になってきていると感じています。言うべき時にしっかりと言わないと部下は成長しません。怒りすぎないようには注意しないといけませんね。(笑)

――インタビューを終えて

商社からみたワイヤーハーネス業界に関するお話しが聞けて大変勉強になりました。2020年のオリンピック需要でワイヤーハーネスの需要も伸びるようです。忙しくなりそうですね。アドバイスも頂けましたので、今後に生かしてみてはいかがでしょうか。

舟木部長、ありがとうございました。

株式会社フジデン 直需通信営業部 部長 舟木保

http://www.fden.co.jp/index.html

インタビュー記事一覧はこちら >>