固定資産とは

2017年06月06日

運営・経営

固定資産は、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産の3つに分かれます。このうち、金額が大きいのは有形固定資産と投資その他の資産です。

 まず、有形固定資産です。ほぼ言葉の通りで、形の有る固定資産です。例としては土地、建物、機械装置、車両などが該当します。会社に置いてある机や椅子、応接室のセットなども、有形固定資産の工具器具備品として記載されます。いずれも形のある資産ですね。

 一方、無形固定資産は、形の無い固定資産です。ソフトウェア、特許権や商標などがこれに該当します。ソフトウェアは、パソコンのソフトのことです。「CD-ROMとして形があるじゃないか」と思われるかもしれませんが、あくまで価値があるのはCR-ROMの中身であって、ディスク版ではありませんから、無形固定資産となります。その他、形のない権利が無形固定資産として計上されるわけです。

 最後の投資その他の資産は、有形固定資産や無形固定資産以外の固定資産です。投資有価証券や長期貸付金など、主に余剰資金を有効活用するために投資した資産が形状されます。

 固定資産は原則として取得原価で評価します。購入金額で貸借対照表に載せるわけです。ただ、固定資産の場合は減価償却が生じますから、貸借対照表には取得原価から減価償却分を差し引いた金額が帳簿価額(簿価)として記載されます。

 減価償却による価値の減少を差し引くと述べましたが、すべての固定資産について減価償却を行うわけではありません。

 減価償却は、時の経過とともに価値が減少している場合に、それを費用としました。この減価償却を行う資産を償却資産といいます。逆に、時の経過とともに価値が減少しない資産(非償却資産)については減価償却を行いません。

 非償却資産の例としては、土地、美術品(絵画や骨董品)などがあります。これらは、時の経過とともに価値が減少するわけではないため、減価償却されないのです。投資その他の資産に記載されている投資有価証券や長期貸付金なども、時間の経過で価値が減少するものではないので、非償却資産となります。

参照:「ゼロからわかる!決算書」 著者:石島洋一、石島慎二朗 PHP研究所