消費税の計上

2017年05月17日

運営・経営

 消費税の書き方には2パターンあります。たとえば、1000円の部品。「1050円(税込み)」と書いてある場合もあれば「1000円(税別)」などと書かれている場合もあります。では、会計ではどちらで書けばよいのでしょうか?

 その答えは、「どちらでもOK」です。税込みで書く場合を税込処理、税抜きで書く場合を税抜処理といい、どちらか選べます。

 例えば800円で部品を仕入れて、製品を1000円で売り上げた場合、消費税を含めると、840円を支払い、1050円を受け取ることになります。そして、消費税は、受け取った消費税と支払った消費税の差額を納付します。本ケースでは部品仕入時に40円を支払い、売上時に50円受け取っているわけですから、差額の10円分を納付することになります。

 税込処理は、全部税込みの金額で書きます。このケースの場合、仕入840円、売上1050円と記録するわけです。そして、納付した消費税10円は、租税公課として計上します。

 一方、税抜処理では、仕入800円と同時に「仮払消費税」40円、売上1000円と同時に「仮受消費税」50円を記録します。そして、決算において仮払消費税と仮受消費税を相殺し、「未払消費税」10円を計上します。税抜処理では、消費税は貸借対照表の勘定科目で別立て形状されますので、損益計算書には記載されません。税抜処理は消費税を考慮していないので、消費税は損益に影響しないのです。

 世の中では損益に影響を与えない税抜処理が多数派で、大企業も税抜処理が多いです。ワイヤーハーネスを製造している企業も税抜処理が多数派となります。

参照:「ゼロからわかる!決算書」 著者:石島洋一、石島慎二朗 PHP研究所