給与計算

2017年03月31日

運営・経営

 毎月の給与や賞与を支給するために給与計算の業務が必要となります。従業員の給与計算は総務(または人事)の仕事ですが、本業務は一部の業務を社労士や銀行関連の企業に委託することができます。

 給与計算は、時間外労働や休日出勤をはじめ、給与から控除される社員の所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、さらに雇用保険料、労災保険料のすべての知識が必要です。支給まで含めると6ステップで成り立っています。

1. 従業員の勤怠をチェック。
2. 総支給額を計算。
3. 税金、保険料等を控除。
4. 手取り額を計算。
5. 給与明細を作成、賃金台帳に記入。
6. 支払日に支給。

 給与計算の際にもっとも注意しなくてはいけないのは、「法定労働時間を超えた勤務」「深夜労働(22時〜5時)」「休日労働」の3つのケースで、割増賃金の支払いが法律で義務付けられています。

 割増賃金の計算方法は、まず、365日から年間休日日数をマイナスし、1日の所定労働時間を掛けた数値を12で割ります。これが「年平均1ヶ月所定労働時間数」です。次に、1ヶ月の給与を「年平均1ヶ月所定労働時間数」で割り、「1時間当たり賃金」を算出します。最後に、「1時間当たり賃金」に割増率と労働時間数を掛けたものが割増賃金です。

 もうひとつ注意する点は、重複した場合は割増率もプラスになること。たとえば、時間外労働が深夜労働になったら、25%+25%で50%以上の割増率になります。労働基準法の改正で、1ヶ月60時間を超える場合の割増率は50%以上と定められましたが、中小企業については当面適用除外です。ただし、1ヶ月45時間を超える割増率は25%を超える率とすること、45時間を超える時間外労働をできるだけ短くすることなどの努力義務が労使双方に課されています。

■銀行グループへの業務委託
 各銀行のグループで給与計算サービスを提供しています。勤怠データを送付して給与の支給まで委託できます。

 給与の支給は一般的に銀行振込となり、給与計算サービスを利用することで振込手数料が割引になる場合があります。また給与の振込先が給与計算を委託した銀行への口座である場合はさらに手数料が安価です。

■社労士への業務委託
 社労士とは社会保険労務士試験に合格し、実務経験のある人です。社労士は一般的に社会保険労務士事務所に所属しています。

 社労士には入退社の手続や保険、年金、就業規則の作成・改定、給与計算などの労務に関わる仕事を委託することができます。また種々の労務問題に関するアドバイザーでもあります。

 ワイヤーハーネスを製造している企業は数名~数十名以上の規模となると社労士に業務を委託しています。従業員数が多くなると入退社の手続が煩雑となり、また労務上起こる問題を相談する相手も必要となるため社労士に業務を依頼することが得策です。中大手企業では社内に社労士を雇用している場合もありますが、その場合もアドバイザーとして別途外部の社労士と契約しています。

 給与計算を社労士に委託する場合は、勤怠データを送付して給与の支給まで委託できます。各銀行グループの給与計算サービスと比較して振込手数料の割引はありませんが、労務全般を一括で委託することで業務は効率的になります。