ワイヤーハーネスの品質とは

2017年04月05日

加工・検査・技術

 品質とはISO9001では「本来備わっている特性の集まりが要求事項を見たす程度。」と定義されています。なお、特性とは「そのものを識別するための性質」、要求事項とは「明示されている通常暗黙のうちに了解されている、または義務として要求されているニーズ又は期待。」と同じくISO9001で定義されています。

 定義は難しく感じますが、要は品質とは「製造された製品だけでなくサービスも含めて、顧客が求める内容が満たされているかの度合い」であり、品質が良ければ顧客が求める要求を満たし、顧客を満足させることが出来ます。

 実際に品質として求められる特性は製品・サービスに依って多岐に渡り、例えば食品であれば味や見た目、安全性などが挙げられ、サービス業であれば接客の良し悪しも重要な特性です。

 製造業で一般的に評価される項目はQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)であり、品質はその筆頭となります。 ワイヤーハーネスの製造においても同様にQCDが評価され、一般的に以下のように理解されています。

・Quality:品質
図面(顧客の要求)通りにワイヤーハーネスが仕上がっていて、不良品が無い。(梱包状態を含む)

・Cost:価格
適正な原価、価格でワイヤーハーネスが提供されている。

・Delivery:納期
要求期日に指定場所へワイヤーハーネスが必要な数量で届いている。

 この中でもQuality:品質は最も重要です。ワイヤーハーネスは機械や装置に組み込まれて使用されるので、ワイヤーハーネスの品質に問題があると後の生産工程に影響が出てしまいます。また最終製品になってからワイヤーハーネスによる不具合が発覚した場合は修理や損害への賠償など問題が大きくなってしまいます。
 まず良い品質を保ちつつ、より低いコストで、短い納期にも対応できる体制が望まれます。

 なお、品質を広義で捉えるとQCDの全てが品質であり、さらに広く捉えれば顧客への連絡や提案などの対応やアフターフォローなどもっとたくさんの項目も品質と言えます。