ワイヤーハーネスとISO

2017年03月09日

加工・検査・技術

ISOとはInternational Organization for Standardization(国際標準化機構)の略で、国際間の様々な取引をスムーズにするために共通の基準を定めている期間で、種々のISO規格を発行しています。ISOの中央事務局はスイスのジュネーブに設置されています。

ISO規格の中でもワイヤーハーネスの製造において特に関連が深いISO9001とISO14001についてご紹介します。

■ISO9001

ISO 9001とは「品質マネジメントシステム(Quality Management System)-要求事項」のことで、製品やサービスの品質保証の体制を確立し顧客満足向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現するための規格です。

ISO9001の認証を受けるには、審査機関による審査が必要です。また審査の前にはISO9001の原文を踏まえて各社各機関に対応した品質マニュアルなど必要な書類を作成し、運営体制を構築しなければなりません。審査前の準備は自分達でおこなうこともできますが、コンサルタントに依頼してサポートを受けることもできます。準備が整ったら審査を受け合格すれば認証を取得することができます。認証後は定期審査と更新審査があり、審査を毎年受ける必要があります。審査においてもし不適合を指摘されても適正な是正処置をとれば問題ありません。

会社の規模と所掌にもよりますがISO取得準備をコンサルタントにお願いすると数十万~3百万円程度の費用がかかり、審査には十万~数十万の費用が発生します。
ワイヤーハーネスの製造においてISO9001を取得していると品質マネジメントシステムが確立されている根拠となり、外部に対して品質への信頼や適正な組織と運営体制を示すことができます。納入先によってはISO9001の取得が取引の条件となることもあり、大手企業ほどその傾向は強いです。また取引の必須条件でなくても、取引先からの工場審査や監査では有利です。しかし、ISO9001の認証取得や維持に費用と労力が掛かるため、ISO9001取得のメリットとデメリットを考慮して取得の是非を決めましょう。ISO9001の認証を取得していなくても、独自の品質マネジメントシステムが確立されていれば取引をする企業も増えています。

ISO9001認証取得の大きなメリットとして、ISO9001は前述のとおり「製品やサービスの品質保証の体制を確立し顧客満足向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現するための規格」ですので、適正に活動に取り組めば事業の改善・発展に役立ちます。ISO9001の認証を取得した際には、真剣に改善活動に取り組みましょう。認証から時間が経過すると品質マネジメントシステムが形骸化し、本来の働きが機能しなくなる例も多々あります。

■ISO14001

ISO 14001とは「環境マネジメントシステム(Environmental Management System)― 要求事項及び利用の手引き」のことで、持続可能な社会を目指し環境リスクの低減および環境への貢献と経営の両立を実現するための規格です。ISO14001の取得や維持については前述のISO9001と同様です。

ワイヤーハーネスの製造においてISO14001を取得していると環境マネジメントシステムが整っていて、環境へ貢献する事業活動をおこなっている根拠となります。年々環境への意識が高まる中、ISO9001と同様にISO14001の取得を取引の条件としている企業もありますが、ISO14001はISO9001よりも認証取得に対する取引先からの要望は少ないのが実情です。ISO14001の認証取得や維持に費用と労力が掛かるため、ISO14001取得のメリットとデメリットを考慮して取得の是非を決めましょう。ISO14001の認証を取得していなくても、独自の環境マネジメントシステムが確立されていれば取引をする企業も増えています。