返済と利息とお金

2017年05月01日

運営・経営

 資金調達を融資によって行っている場合、利息の支払いが生じます。支払利息は、営業外費用の中で代表的な勘定項目で、借入金の多い企業では財務面に大きな影響を与えます。

 利息は借入れを完済するまでずっと支払っていかなければなりません。利息は発生するたびに損益計算書に営業外費用として計上されていき、利益に影響していきます。

 一方、借入れを返済した場合はどうでしょうか?100万円を返済した場合、それは利息のように営業外費用となるでしょうか?答えは否です。返済は費用ではないのです。この点は非常に混同しやすく、誤って理解されがちです。

 例えば資金1000万円を借り入れたとき、貸借対照表では資産に現金1000万円、負債に借入金1000万円が計上されます。返済はその逆で、1000万円の借入れのうち100万円を返済したら、資産が現金900万円(1000万円-100万円)に、負債に借入金900万円(1000万円-100万円)へと変わります。

 このように借入れや返済は資産の状況には影響しますが、費用や収益のような”損益”に影響しないのです。資金を借り入れたときにも、その資金は収益ではありませんね。

 しかし、返済をするとその分だけお金は出ていきます。手元の資金は当然減るわけです。よって返済は実際のお金の動き(キャッシュフロー)に影響します。

 以上のように、利息と返済の財務上の影響をしっかりと理解しましょう。