主流な検査器
2017年11月08日
ワイヤーハーネスの製造における検査工程は導通検査、引張試験、外観検査工程に分類されます。このうち導通検査工程ではワイヤーハーネスの電気的な性能を検査するために検査器(ワイヤーハーネスチェッカー)が利用されています。ここでは良く利用されている検査器について説明します。
主流な検査器のメーカは3社で、株式会社ナックコーポレーション、株式会社ネクスト、東京インターホーン株式会社です。これらの3社の検査器は有名で広く普及しています。
ナックコーポレーション、ネクストの検査器
2社が提供している検査器は導通、耐圧、抵抗、瞬断、絶縁抵抗試験など多数の機能を持っており、回路数も1000ポイントなど大きいものまで対応しています。各種機能や仕様、回路数は各機種によって各々設定されているため、検査をしたいワイヤーハーネスの検査内容によって機種を選定することができます。またカスタム仕様の検査器の製造を依頼することも可能です。
高品質で信頼性が高く宇宙・航空、自動車、船舶、医療機械、情報通信、民生・家電など様々な業界で使用されており広く普及しています。機能や回路数によって価格は数十万円~数百万円と高価です。
東京インターホーンの検査器
検査器は主に導通、耐圧、抵抗、瞬断、絶縁抵抗試験の5つの検査機能を持っていますが、東京インターホーンの導通のみの検査機能を持つ機種(WPシリーズ)は広く普及しています。操作方法が非常に簡単で、電源スイッチをONにして検査品を接続するだけで自動で検査が開始され良品・不良品の判定が行われます。エラー時の表示や音声が分かり易いのも特徴です。また、シンプルな機能で安価な検査器となります。
操作が簡単で安価なため、内職先や外注先に貸与してワイヤーハーネスの検査をおこなうのに適しています。ワイヤーハーネスは内職や外注が広く行われてきた歴史があり、このような機種は長年の間に普及していきました。
その他の検査器
以上の3社がワイヤーハーネス検査器市場では有名ですが、他にもエイミック株式会社、旭産業株式会社、有限会社サンテックなどはワイヤーハーネスの検査器を製造しています。ワイヤーハーネスを製造している企業が検査器を開発しているケースもあり、例えば株式会社高池が挙げられます。
このようなメーカが製造しているのは機能が導通検査のみの機種が多く、価格は数万円~十数万円程度です。耐圧試験など他の検査機能を持つ機種も少数存在しますが、百万円前後と高価です。
検査はワイヤーハーネスの製造工程で必須の作業ですので、ワイヤーハーネスの検査器を利用する頻度は高い傾向があります。必要な検査機能を満たしていて、なおかつ効率が良い検査器を調査して購入すべきです。主流メーカ以外の機種も安価で使い勝手が良いものもありますので、是非検討しましょう。