採用活動の筆記試験

2017年09月04日

運営・経営

 面接など採用活動の際に筆記試験をおこなっていますか?筆記試験は基礎学力や考え方を評価することが出来ますので、簡単なものでも実施した方が採用の精度を向上させることができます。採用応募者が面接で来社したときに、少し時間を取って同時に受けてもらいましょう。特に中核的な人材を採用する際には筆記試験を実施した方が良いです。

 ここでは採用活動における筆記試験についてご紹介します。

 筆記試験ではどういったことが確認したいでしょうか。ワイヤーハーネスの製造では受注量の計算、部品数の計算、電線長の計算、所要時間の計算といったように基本的な計算能力が必要とされますね。このような能力は筆記試験で確認することができます。

 その他にも理解力、考える能力、経験や考え方なども基礎的なレベルかどうか確認したい点です。こうった確認したい能力が判定できるような問題を筆記試験で出題します。

計算能力や理解力を判定する筆記試験

 実務上は四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)の基礎ができていれば十分です。以下は四則演算が出来るかどうかを確認する問題の例です。

・問題例
 部品Aが100個ずつ入った箱が4箱、200個ずつ入った箱が3箱あります。製品Bを作るには部品Aを30個使用します。この7箱に入っている部品Aを用いて製品Bは何個作ることができるでしょうか。また部品Aは何個余りますか。

正解:(100×4+200×3)÷30=33 余り10  製品Bは33個作ることができ、部品Aは10個余る

 この問題例はごく簡単な計算能力の確認となります。もう少し問題のレベルを上げて文章の理解力なども評価できるようにすると以下のような問題が例として挙げられます。

・問題例
 あなたは電線を機械で切断する仕事をしています。1度の切断にかかる時間は7分です。また、1度切断するたびに3分間の機械の冷却時間を設けなくてはなりません。15mの電線から1.5mの電線は何本切ることができるでしょうか。また、全て切断し終えるのに何分かかるでしょうか。

正解:15m÷1.5m=10本 8本×(3分+7分)+1本×7分=87分 10本切断することができ、切断し終えるのに87分かかる

 この問題は理解力と基礎的な計算力が必要となってきます。また10本取るには実は9回切断すればよく、そのうち最後の切断は冷却を待つ必要が無いため7分で完了します。このように注意深く考えなければ解けないひっかけ問題となっています。ひっかかってしまうと100分、97分、90分といった解答が出ます。どこまで解けているか評価できます。

考える能力を判定する筆記試験

 計算問題の答えは1つですが、明白な答えが無いような問題では考える能力を評価することができます。例として以下のような問題が挙げられます。

・弊社の敷地の電気の数はいくつでしょうか。自分の考えを述べてください。
 この問題は今いる部屋の電気の数を数えて、敷地全部で何倍の部屋があると想定して答え出すといったように考えて答える問題です。

・マンホールは何故丸い形をしているのでしょうか。自分の考えを述べてください。
 この問題は「落下防止のため」が正解ですが、正解はあまり知られていないので考えて答えることになります。

 このような問題で納得がいくような回答を書く人材は考える能力が高いと評価できます。逆に空欄の回答が出るような場合は、柔軟に考える能力が低いかもしれません。

経験と考える能力を判定する筆記試験

 ある程度実務経験が無いと良い答えがでないような問題で経験と考える能力を評価することができます。例として以下のような問題が挙げられます。

・あなたが任されている仕事が指示された納期通りに終わりそうもありません。どのように対応しますか。

 このように実務で起こりうるような状況を問題として出題すると、経験や考える能力を見ることができます。解答としては「上司に相談する」、「誰かに手伝ってもらう」、「効率的な仕事のやり方を考える」、「残業する」などいろいろな解決方法があります。

 以上のように筆記試験では面接では分からない能力を判定することができるので有用です。「面接では良い印象だったが簡単な計算が出来ていなかった」というようなケースもあり得ます。採用してから判明するとお互い困ってしまいます。ワイヤーハーネスの製造をおこなっている企業は中小・零細企業も多く、筆記試験をおこなっていないことも多々あります。筆記試験により採用の精度を上げましょう。

 なお、市販で就職筆記に関する書籍もありますので参考にしてみては如何でしょうか。