入退社手続き
2017年03月31日
人材を雇用する際にが入社手続きを、退職する際には退職手続を行います。入退社の手続は総務の仕事ですが、本業務は一部まはた全ての業務を社労士に委託することができます。
■入社手続き
まず最初に、労働条件通知書、労働契約書など作成して締結を行い、賃金、労働時間、その他労働条件をすべて書面で明示します。あわせて、就業規則を遵守する旨の誓約書や、会社によっては身元保証書を提出してもらいます。
次に、社会保険などの手続きにおいて、労働基準法で定められた社員名簿(労働者名簿)、賃金台帳、出勤簿の作成や、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届を年金事務所、雇用保険被保険者資格取得届をハローワークにそれぞれ提出します。
また、源泉所得税の計算のための扶養控除等(異動)申告書の作成や、前職がある場合は前の会社が発行した源泉徴収票を会社に提出してもらいます。
通常、新卒採用は内定、中途採用は試用期間を設けますが、この時点ですでに本人と会社の労働契約は成立しています。よって、内定者がまだ他社の内定を断っていない場合を除き、内定取消しは社員の解雇にあたり、合理的な理由がない限りは原則として一方的に行うことはできません。また、試用期間後の本採用拒否も同様に、社員の解雇にあたります。
正社員以外にパートタイマー、アルバイト、契約社員など、非正規従業員の雇用も労働基準法が適用されます。賃金や労働時間、休憩や休日などの定めは正社員と同じように守ることが必要で、法定外の特別な労働条件を設定することはできません。
■退職手続き
従業員の退職にあたっては、「自己都合による退職」「解雇による退職」「定年による退職」の3つのケースがあり、それぞれで総務の対応が異なります。
自己都合は、「一身上」、あるいは従業員本人からの申し出の「自己都合退職」の2種類。いずれにも、従業員が一方的に退職の意思を示す辞職、会社と従業員が合意の上で退職日や引き継ぎ方法、期間などを定める合意退職が存在しますが、できるだけ合意退職をすすめます。その際、本人から退職届を提出してもらいますが、合意退職であれば引き継ぎ方法など合意内容も文書にして後々のトラブルを防ぎましょう。
解雇とは、会社側からの一方的な労働契約の解消です。普通解雇(就業規則に定めた解雇事由に相当する事実があって解雇する)、整理解雇(会社の経営上の理由から人員削減が必要になり解雇する)、懲戒解雇(就業規則上のもっとも重い懲戒処分として解雇する)の3種類があります。必要であれば解雇通知書を作成し、本人へ通知します。
また、定年による退職では、再雇用の手続きなどが必要であれば行うようにしましょう。
いずれの退職でも、社会保険と労働保険、税金の関係で各種手続きが必要です。健康保険と厚生年金保険、雇用保険は脱退手続きを行い、退職者が失業給付を受ける場合は離職票に関する手続きもすすめます。
源泉所得税関係では、源泉徴収票を作成して税務署に提出し、本人に交付します。退職者が確定申告を行ったり、再就職の際に必要になる大事な書類です。給与所得者異動届は市区町村に提出しましょう。
■社労士への業務委託
社労士とは社会保険労務士試験に合格し、実務経験のある人です。社労士は一般的に社会保険労務士事務所に所属しています。
社労士には入退社の手続や保険、年金、就業規則の作成・改定、給与計算などの労務に関わる仕事を委託することができます。また種々の労務問題に関するアドバイザーでもあります。
ワイヤーハーネスを製造している企業は数名~数十名以上の規模となると社労士に業務を委託しています。従業員数が多くなると入退社の手続が煩雑となり、また労務上起こる問題を相談する相手も必要となるため社労士に業務を依頼することが得策です。中大手企業では社内に社労士を雇用している場合もありますが、その場合もアドバイザーとして別途外部の社労士と契約しています。