業界ニュース2020年5・6月
2020年07月28日
2020年の6月となりました。新型コロナウイルスの感染者数が世界的に増加し続け、まだまだ収束する気配がありません。オリンピックも延期され、経済はどうなっていくのでしょうか。
米ジョンズ・ホプキンズ大学の調査によると新型コロナウイルス感染症の世界の感染者が1000万人を超え、死者も50万人に達しました。日本では緊急事態宣言が発令されて感染拡大は抑えられてきていますが、世界規模では収束の兆しは全く見られず深刻な状況が続いています。
それでは、2020年5月、6月の業界ニュースや記事を紹介します。
エムダイヤが新事業、アルミの再資源化仲介 リサイクル会社に設備提供
・エムダイヤは電線メーカーとリサイクル会社の間でアルミニウム線をアルミ原料に再資源化する仕事を仲介
・リサイクル会社が取り出したアルミ原料を、エムダイヤを介して電線メーカー販売するビジネスモデルを構築
・設備にはIoTで稼働率や機械のリモート診断、非常時に機械を遠隔で緊急停止できる機能を搭載
最高112G PAM-4対応のケーブルリセプタクル
・TE ジャパンは最高112G PAM-4のデータ伝送速度に対応した「STRADA Whisperケーブルリセプタクル」を発表
・PCBの省スペース化、かつPCBを回避したことで挿入損失とクロストークを抑え高周波域でも最適な伝送特性を維持
・次世代データセンター機器などの通信機器に対する仕様に柔軟に対応可能
小寺製作所、フェイスガード400枚を寄付
・ワイヤーハーネスを製造している兵庫県の株式会社小寺製作所がフェイスガード400枚を伊丹市医師会、伊丹市歯科医師会へ寄付
・『医療従事者の皆様のお役に立ちたい』という想いから、手作りにて作製
・伊丹市では、医療機関や福祉施設で不足している医療物資やレインコートの寄付について呼び掛け
日本モレックス、自動車機器および産業用アプリケーションに向けて組立時間を低減する、使用温度範囲最大125Cの「2.50mmピッチ・ボードインコネクター」を発表
・2.50mmピッチ・ボードインコネクターは、基板に直接はんだ付けが可能な電線対基板用コネクター
・広い温度範囲(-40~+125C)で動作し、自動車機器や各種産業市場の要件に適合
・極数展開は2~6極、電流は3.0Aに対応し、自動車用の電線規格(FLRY 0.22mm2、0.35mm2)に適合
電線2社、前期最終減益 車用ワイヤハーネス苦戦
・2020年3月期決算を発表した電線大手の住友電気工業と古河電気工業の業績不振が鮮明
・新型コロナウイルスの感染拡大で自動車生産台数が減りワイヤハーネスなどが苦戦
・今期は一段と厳しく住友電工は4~6月のワイヤハーネスの需要は例年の半分程度と予想
日本モレックス、iGrid 2.00mmピッチ電線対基板用コネクターに金メッキバーションを追加
・「iGrid 2.00mmピッチ電線対基板用コネクターはポジティブロック機構を備えれた嵌合保持力を発揮
・金メッキ製品は、従来の錫メッキに比べて電気導電性および耐食性が高く、信頼性および耐久性に優れる
・さまざまな産業分野の電線対基板アプリケーションで求められる電気的および機械的な信頼性要件に適合
電線大手 前期3社が営業減益
・国内電線メーカー上場大手4社の2020年3月期連結決算は、昭和電線ホールディングスを除く3社が営業減益
・光ファイバーの価格下落や、自動車関連の需要減により厳しい結果
・フジクラの20年3月期決算の公表は未定
ワイヤーハーネス大手2社の2020年3月期決算、ともに減収減益 7月以降の回復期待
・ワイヤーハーネス大手2社の2020年3月期決算は、いずれも減収減益
・自動車生産台数が想定よりも伸びず、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うコスト上昇が影響
・連結純利益は住友電気工業が前年同期比38.4%減の727億円、古河電気工業が同39.4%減の176億円
汎用電線 銅電線出荷、4月13%減
・日本電線工業会によると、4月の銅電線出荷数量は前年同月比13.0%減
・主力の建設・電販部門が同10.3%減、五輪需要の剥落に加えて新型コロナウイルス感染拡大が影響
・自動車部門の4月の銅電線出荷数量は同31.7%減、自動車メーカの休業が影響
・電力部門は同0.3%減、通信部門は同15.4%増
フジクラの20年3月期、最大の赤字 コロナで減損損失
・電線大手フジクラの2020年3月期の連結決算は、最終損益が385億円の赤字と過去最大の赤字
・新型コロナウイルスの影響で欧州の車向け部材も振るわず、それぞれ工場設備などで減損損失を計上
・光ファイバーは安価な中国勢との競争が激しく採算が悪化、欧州では新型コロナで車向けのワイヤハーネスが苦戦
日本モレックス、極性キー機能と豊富な色揃えによって誤嵌合を防止する「CP-4.5電線対電線用コネクター」を発表
・CP-4.5は4.50mmピッチのコンパクトな電線対電線用コネクターコネクター
・極性キー機能によって誤嵌合時には嵌合できない仕組みで、同じ色同士でないと嵌合ができない
・極数展開は2/4/6極、ハウジング色は極数によるが3~6色
中小企業も“映像商談”に舵を切る!「会場に行けないなら自分が行けばいい」
・愛知や岐阜県に本社を置くモノづくり中小企業5社は「オンラインミニ展示会&モノづくり対談」をライブ配信
・ダイワ化工(ゴム成形加工)、蒲郡製作所(精密金属加工)、サン樹脂(樹脂加工)、三州ワイヤーハーネス(ハーネス加工)、早川工業(金属プレス加工)が参加
・オンライン会議システム「ズーム」を使い、「ユーチューブチャンネル」の「俺らFactoryMan」で配信
住友電気工業、自動車用ワイヤーハーネス製造の重慶新民康科技が実施する増資を引き受け子会社化
・住友電気工業と住友電装は、関連会社である重慶新民康科技が実施する増資を引き受け、連結子会社化
・中国での事業展開をさらに加速させるため、今回の連結子会社化に至る
・住友電気工業グループはオリジナリティのある最高品質の製品開発・製造を進め、中国国内での製品安定供給に努めていく
フジクラ、電線事業の現地子会社を清算
・フジクラはマレーシアで電線事業を展開する全額出資子会社フジクラ・フェデラルケーブルズを清算
・日本のプラントメーカーが東南アジアで事業を行う際に、電線を供給する役割を担ってきた
・全社的に事業の採算性の見直しを進める中で、将来の成長が見込めないと判断
古河電工、自動車用ワイヤハーネスを4年で売上2割増目指す。アルミ品で燃費向上に貢献
・古河電工は2023年度までの4カ年で自動車用ワイヤハーネスの売上高を19年度比で約2割増やす
・軽量で燃費向上に貢献するアルミハーネスの採用を拡大しながら売上を伸ばす
・素材特性を生かした軽量なアルミハーネスは気候変動対策に繋がる自動車の燃費向上に貢献、需要は増える見通し
銅電線出荷 8カ月連続減4.1万トン
・日本電線工業会は銅電線出荷量を発表し、5月は前年同月比26.3%減の4万1600トンと8カ月続けて減少
・5万トンの大台を割るのは、2016年5月以来の4年ぶり
・4万251トンだった1975年1月以来の低水準
カインズ、各種プリント基板・接続ケーブルのアッセンブリ等「吉城電子工業」より全事業譲渡
・カインズ株式会社(東京都)と吉城電子工業株式会社(岐阜県)はカインズによる吉城電子工業の全事業の譲り受けに関する基本合意書を締結
・カインズのグループ会社として新設された株式会社エレクスへ譲渡手続きを実施予定
・主力事業である自動車用品事業において電子機器の開発力を強化
昭和電線ユニマック、高付加価値品能力5割増へ。車載・電子部品用巻線など増産
・市場の成長が見込まれ、技術力で付加価値が確保できる車載用・電子部品用・超耐熱品・ヒータ線の4品目に注力
・増強投資で4品種合計の生産キャパシティーを5割高める
・同社は昭和電線HDが完全子会社化、巻線営業はHD傘下の主力事業会社、昭和電線ケーブルシステムが行う