ワイヤーハーネスの調達先評価
2017年09月11日
新規にワイヤーハーネスの調達先を開拓したとき、また既存の調達先を評価する必要があるとき、どのように調達先を評価すればよいのでしょうか。各社で調達先の評価方法が決まっている場合も多いですが、ここでは評価すべき大まかなポイントを説明します。
・価格
ワイヤーハーネスの製造は各社によって特殊な付加価値を付けることが難しいため、価格が重要な評価項目となることが一般的です。価格力を評価するには、複数種のワイヤーハーネスの見積を依頼してその結果を検討します。見積は比較検討のために複数社から取得すべきです。低価格でコスト競争力が強い企業が高い評価となります。
なお、企業によって加工の得意分野が違うため、複数種類のワイヤーハーネスを見積ると個々の価格の優劣にバラつきが出ることがあります。
・品質と納期対応
品質と納期対応の良さは取引を開始していれば実績で評価しやすいのですが、取引がまだ無い場合には調査して判断します。まずは他社との取引実績を提示してもらいます。大手企業や品質レベルが高い企業と取引実績がある企業は、品質と納期対応が良い可能性が高いです。もしも取引実績がある企業から品質と納期対応に関する実際の評判を聞くことができれば、その情報は信頼性の高い判断材料となります。
また、ISO9001など規格を取得していたり、社内規定が整っている企業は品質や納期対応が良い傾向があります。ワイヤーハーネスの製造現場である工場を見学・視察させてもらいながら、物作りの体制を説明してもらうことで品質を判断していきます。設備管理の方法や作業管理、社内教育の体制などをチェックします。品質保証や不具合発生時の対応レベルも確認しましょう。
・企業の信頼性
会社案内やホームページなどの情報から企業情報を入手して経営状況や業績を評価します。企業情報には売上高や利益などの財務情報、資本金、株主、沿革、従業員数や拠点などの規模に関する情報などが挙げられます。帝国データバンクのように国内最大級の企業情報データベースを保有する
企業から有料で企業情報を入手することも可能です。
取引開始時の審査や定期的に決算書や取引先調査表などで企業情報を提出してもらって経営状況をチェックする場合もありますが、主に取引量が多い大手企業がおこなう手法です。
健全な経営状況であり、安全で持続可能な取引ができそうか信頼性を評価します。債務超過や資金繰りが厳しいなど経営状況が悪い企業は倒産のリスクが高く、信頼性は低くなります。
・対応の良し悪し
営業窓口の対応の仕方を評価します。基本的な業務スキルであるレスポンスの早さ、抜け漏れが無いかどうか、柔軟な対応をしてもらえるかどうかなど普段のやり取りを通して評価します。対応が悪い場合はトラブルが起きやすくなるため、対応の良し悪しは長く取引をするうえで重要です。基本的なスキルに加えて提案力が高い場合は、様々な業務改善につながりますので高く評価しましょう。
なお、最も厳格に評価を行う場合はチェック項目をあらかじめ決めて工場審査をしながら、各チェック項目に点数をつけてその合計点より企業を評価します。また企業の信頼性を確認するために詳細な取引先調査表を記入してもらうのも有効です。