ワイヤーハーネスの梱包工程

2017年03月31日

加工・検査・技術

 ワイヤーハーネスの製造における梱包工程について紹介します。ワイヤーハーネスは国内配送であれば宅急便、宅配便、ゆうパックやチャーター便、また社用車による自社配送で納入先まで届けられます。そのため輸送中の衝撃や振動によってワイヤーハーネスが破損したり汚れないように、梱包時にワイヤーハーネスを保護して段ボール箱やプラスチック製の通い箱などに収納し出荷します。通い箱とは再利用可能な容器です。納入が頻繁におこなわれる取引先に対しては、段ボールと比較して何度も使用することできるため環境負担の低減やコストダウンにも繋がります。

 梱包工程は保護と箱詰め作業に分類されます。保護作業ではワイヤーハーネスの先端部や全体を
プチプチ、エアーキャップと呼ばれている気泡入り緩衝材を用いて保護します。まず破損しやすい先端部やコネクタ部分を袋状の気泡入り緩衝材で個別に覆い保護します。袋状緩衝材が剥落しないように根本を輪ゴムで縛ります。次にシート状の気泡入り緩衝材でワイヤーハーネス全体を保護します。シート状緩衝材はテープで剥がれ落ちないように固定します。保護作業が完了したワイヤーハーネスをスポンジなどの緩衝材を敷いた段ボール箱に適正な数量にて箱詰めし、納品書など必要書類等を入れます。段ボール箱への収納の際に箱内部に隙間があるようならば、気泡入り緩衝材やスポンジ、新聞紙などを用いて隙間を埋めましょう。内包物を全て収納し終わったらガムテープなどで封をして梱包完成です。なお、ワイヤーハーネスが段ボールに収まらないほど大きい場合はパレットに積んでフィルムシートで巻き保護・固定します。重いワイヤーハーネスは自らの自重で下部に積まれている製品を損傷させてしまうことがあるので、重ね過ぎに気を付けましょう。
 顧客の要求により気泡入り緩衝材によって保護されたワイヤーハーネスを指定ロットで小箱や袋に収納してから段ボールに詰める場合もあります。また、段ボールに指定のステッカーや表示の貼付けを要求される場合もあります。出荷前の準備が滞りなく澄んでいるか確認しましょう。
 
 緩衝材や梱包材は様々な大きさと種類が存在します。ワイヤーハーネスの重さや形状、梱包数などによって使用する適正な梱包材料を選択しましょう。例えば重量が重いワイヤーハーネスを梱包する場合、段ボール箱が潰れないように段ボールの強度を通常よりも高くする必要があります。
 不十分な梱包はワイヤーハーネスの破損や汚れに繋がりますが、過剰な梱包はワイヤーハーネスのコストアップに繋がります。梱包後の運びやすさや開封のしやすさなども検討材料となります。適正な梱包方法を検討し選択しましょう。

 梱包工程はワイヤーハーネスの大きさや形が様々なので手作業が主流です。

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