ワイヤーハーネスと試用期間
2017年03月31日
人材を採用する場合には、一般的に試用期間を設けます。ここでは、未然にトラブルを防止するためにも、試用期間中に注意したいことについてご紹介しましょう。
■試用期間とは
試用期間というのは、新しく採用した人が従業員として適しているか、会社が評価観察をするための期間です。会社によっては、仮採用という表現を使っています。
適しているかの判断は、仕事をするのに十分な能力・知識があるか、健康は問題ないか、素行はいいか、という具体的な部分をみてトータルに評価します。
ワイヤーハーネスは製造業なので、製造に対しての採用募集が多くなります。製造の業務が実際に向いているか、手先が器用かどうかは実際に作業をしてみないと判断しにくいため試用期間を設けて評価しましょう。
労働基準法などのいろいろな法律において、試用期間について決められている場合はないので、試用期間を必ずしも設ける必要があるということではありません。そのため、試用期間を設けるかどうかは、会社の実情によって判断する必要があります。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によれば試用期間を設けている会社は平均すると約7割あまりと、一般的には試用期間を設ける会社が多いことがわかります。
試用期間はどの程度の期間がいいのでしょうか?
試用期間があまりにも長期間になると、民法に抵触する恐れがあるため、期間については良識を持って十分な検討が必要です。なお、国家公務員の場合は、6ヶ月の試用期間ですので、会社の試用期間を検討する場合には、一つの目安にしても良いでしょう。なお、製造に適性があるかどうかは1週間など短い期間でもある程度は判断が出来ます。
■試用期間中での保険手続き
試用期間中での保険手続きですが、一般の社員の場合は、労働保険に加入する際は事業主負担になります。
雇用保険は、65歳以上の人、週20時間未満の仕事をする人、4ヶ月以内の仕事をする季節労働者の場合は適用されません。それ以外の場合は試用期間中で雇用期間が決まっていても、労働保険に加入する必要があります。資格取得の手続きは入社日に行う必要があります。
社会保険の健康保険・厚生年金保険の場合は、事業所で働く労働者であれば被保険者になります。雇用スタイルに関係なく、常時雇用の場合は一般の従業員の労働日数・時間と比較して、いずれも4分の3以上であれば社会保険に加入する必要があります。社会保険が適用除外になる場合もありますが、基本的に労働日数・時間とも4分の3以上であれば加入する義務があると考えておきましょう。これは、労働日数・時間が契約上でどのようになっているかということではなく、判断を実態に則して行う必要があるということがポイントです。「試用期間だから保険に加入しなくてもいい」というわけではありません。
社会保険の加入手続きを試用期間が終了してから行うと、遡及手続を強制的にとられて多額の金額を請求されてしまいます。会社の手続き間違いによって、試用期間中の人に金銭的に一時的にでも大きな負担をかけないように注意しましょう。
各種保険加入の条件は法律の変更で変化します。法律の改正にはアンテナをはりチェックしましょう。