ドライヤーの検証
2017年04月05日
ワイヤーハーネスの製造工程では熱収縮チューブに熱を加えてチューブを収縮する作業にドライヤーを使用します。各種ドライヤーの特徴や作業性をコストも比較しながら紹介します。
・プラジェット(石崎電機製作所)
プラジェットは約450℃(温度測定は吹出口より10㎜の位置)の熱風が出るドライヤーで、先端に熱風を集中させる細いノズルAT-21を装着すると500℃(温度測定は吹出口より3㎜の位置)程度まで熱風温度が上昇します。風量は 0.18㎥/minで本体の重量は約750gです。550gの軽量型もありますが風量が落ちます。T-21を装着して高温熱風で収縮作業をおこなうと収縮スピードが上がり効率的です。単価は概ね10,000~15,000円程度です。
プラジェット・ハンディタイプ 熱風集中ノズル(AT-21)
を装着 (石崎電機製作所)
・ヒートガン(アストロプロダクツ)
ヒートガンは2段階の温度調整機能が付いていて吐出温度はそれぞれLow/300℃、High/500℃で、吐出流量はLow/0.3㎥/min、High/0.5㎥/minです。収縮作業では温度の高いHighの設定を使用します。重量は660gでプラジェットよりも若干軽く、冷風機能は備わっていません。単価は概ね3,000円程度でプラジェットよりもかなり安価です。
プラジェットのように熱風集中ノズルが無いため、細い収縮チューブの収縮はプラジェットの方が向いています。しかし、チューブのサイズが数十Φといったような太い収縮チューブに対しては風量が多いヒートガンの方が向いており、チューブのサイズにも依りますが倍近い速度で収縮作業をすることができます。
ヒートガン(アストロプロダクツ)
数十Φの太い収縮チューブ
作業によってドライヤーを使い分け、より効率的な作業を目指しましょう。なお、ドライヤーは使用時に高温となりますので火傷をしないように注意しましょう。また、高温になったドライヤー本体に電線やプラスチック製品が触れると、変形や溶解が起こってしまいます。