租税公課とは
2017年05月17日
損益計算書に出てくる販管費の中には「租税公課」という勘定科目があります。数ある販管費のうち、科目名から内容が最も想像しづらいかもしれません。
「租税公課」とは、税金のことです。国や地方自治体は、その運営のためにお金が必要になります。そのお金を税金として国が徴収すれば国税、地方自治体が徴収すれば地方税となり、この国税と地方税をまとめて「租税公課」というのです。
ただ、税金の中でも、利益に応じて払わなければいけない税金については、販管費の租税公課には計上されません。これについては別途、損益計算書の末尾で「法人税等」として計上されます。損益計算書でせっかく利益を計算しますから、法人税等は最後に計算される利益と関連させて書いた方がわかりやすいわけです。
販管費に計上される租税公課の例としては、印紙税、自動車税、固定資産税などがあります。印紙税は契約書を作成するときに貼り付ける収入印紙などの代金。自動車税や固定資産税は、自動車や固定資産を保有することでかかってくる税金です。この他、税金の納付が遅れた場合の罰金である延滞税なども販管費の租税公課に含まれます。
これらは、いずれも利益の大きさとは関係ない税金ということがわかりますね。販管費に計上される租税公課は、利益に関係しない税金とシンプルに考えれば良いのです。
ちなみに、”租税”は法律に基づき強制的に徴収するものであり、”公課”は公共のために課される租税以外の金銭負担を意味します。
参照:「ゼロからわかる!決算書」 著者:石島洋一、石島慎二朗 PHP研究所